PARMのチョコ味とレアチーズ味にはまっている、たーはんです。
‘アイスクリーム’にこだわり、身近にあるスーパーで買えるPARMをよく買うのですが、期間限定なのかバニラ味以外にも売られていたので、チョコ味とレアチーズ味を買ってみたらとても美味しく、1日1つ交互に食べています。
以前、筆者が学生の時にフィンランドの教育体験ツアーに参加したときの体験を記事にして、それをよく読んでもらっているので、今回はその続編を書いていきます。前回はフィンランドの高校生の給食のことを書きましたが、今回はフィンランドの教育について、それも問題提起をする形で書いていきます。以前のフィンランドの記事はこちらです↓
細かい制度等は他のサイトや本で書かれているので、ここでは筆者の体験や現地で見たことならではの内容を載せていくつもりです。
フィンランドの教育制度が注目を浴びたきっかけ
世界各国の教育の良し悪しを考えるときに、何を指標にするとよいかはいろいろな考え方があります。政府が毎年どれだけ教育に予算を使っているか、生徒一人あたりの教員の数、最先端の教育内容を教えているか、等々様々な計り方があります。
その中でも、OECDというヨーロッパ中心の国際機関が、PISAという学力の水準を計るテストを開発し、各国の教育水準を比べる一つの物差しになっています。フィンランドの教育は、2000年(第1回)に実施されたPISAで高水準の結果を出したことにより、より有名になりました。
余談ですが、PISAの実施については反対意見も多いです。そもそも学力を計ることに適していない内容だ、という意見もあったりします。また、元々OECDが作ったテストなので、経済発展を軸に考えられたテストでもあります。さらに言うなら、ヨーロッパ基準の内容で作られたのでフェアではないという意見もあります(1番になれないこともあり、アメリカでは批判が多いとか)。そんな中毎回高得点を出している日本はレベルが高いと思います。
フィンランドの教育体制
フィンランドでは、教員という職業は人気が高く、大学で教育学部に進学を希望する人も多いとのことです。日本と同様、教員になるためには大学を卒業して教員になる資格を取得しなくてはなりません。日本との違いは、日本では大学4年間で(必要単位を満たせれば)教員免許を取得できますが(なんなら教育学部以外でも教員免許が取得できますが)、フィンランドでは大学院と合わせて5年間の履修を経て教員免許が取得できます(大学が5年間あるというイメージでしょうか)。
小学校の話になりますが、フィンランドの公立小学校は、1つの学級にだいたい20人前後の児童が在籍しています。私が現地を見学した際は、25人を超える学級を見かけませんでした。1学級20人を超えると多いと言われるんだとか。ちなみに日本の小学校の上限は3-6年生で1学級40人です…。20人は日本だと少ない部類ですね。
また、フィンランドでは2学級に1人の割合で副担任が配置されています。主担任が授業をしている際に、副担任は特定の児童の横について主担任の手が回らないところをフォローします。副担任がどの時間にどちらの学級にいるかは担任との相談だと思います。こうした体制になっているのは、児童への手厚い支援という意味もありますが、主担任が有給休暇をとっても副担任が代わりに授業ができる、という教員側の労働環境を整える意味合いが大きいです。
学校で教えることについてですが、日本では教科に加えて、人間形成の一環で道徳の授業や、常日頃から行う生徒指導というものがあります。対してフィンランドでは、人間形成面は各家庭、または各家庭ごとの宗教の役割という認識があり、学校では教科の内容を教えるという意識が日本より強いです。
その他日本との違いとして、当該学年で決められた学習内容が身についていないと判断された場合、義務教育段階でも留年があります。日本に住んでいると、そんなことして大丈夫かな?と心配になりますが、フィンランドでは必要なこととされ容認されているようです。
現地の小学校の様子
小学校の朝は、朝7時30分から8時頃に、保護者の送迎(歩きの場合が多い)のもと、児童が登校してきます。フィンランドに限らず、海外では小学生を一人で歩かせないことが一般的だったりします。電車も一人で乗せないことが当たり前の国も多いです。登校した児童をお出迎えするため、教員の出勤時間は早いです。(日本の教員の出勤時間は朝8時や8時15分からだったりしますが、朝7時から出勤している人も多いです。)
ただ、フィンランドでは、児童が下校した後、早ければ14時30分から退勤することができます!予定があったり、仕事が終わっていれば早く退勤してもよいとのこと。羨ましいですね。たいていは定時の16時30分まで仕事をしてますが、フィンランドでは残業が少ないので、17時くらいには退勤できるようです。他の仕事も同じような時間帯に終業となるので、16時30分くらいから車で道が混むようになります。
フィンランド教員の悩み
ここまでみていくと、フィンランドの教育に感銘を受けるばかりで、改善点がないように思います。しかし、フィンランドの学校にも、まだ見直すこともあり、現地の教員が悩んでいることもありました。
私がフィンランド教育研修ツアーに参加した際(2014年だったはず)に、現地の教員へ質問できる機会がありました。そこで私は現役教員に質問してみました。「今、教員が(フィンランドの)学校の中で問題だと感じていることは何ですか」と。通訳を通して返答してくれました。
「児童生徒が勉強をしようとしないことです。」
皆さんはこれを聞いてどう思われるでしょうか。予算をかけて教育体制を充実させても、子どもが勉強をするようになるわけではない。大学5年間で教員養成のプログラムを組んでも、子どもが積極的に勉強をするよう仕向けるスキルが身につくわけでもない。勉強や学力といったものの根本的なものは児童生徒側もある、ということを当時の私は改めて考え直しました。同時に、大した予算もかけてもらえず、一人で40人の児童生徒を相手にしながら、楽しい授業を作ろうとしている日本の教員の苦労も考えるようになりました。
日本化するフィンランドの教育
フィンランドの教育を日本で広めているものの1つに、福田誠治さんという方が何冊も本を出していることが挙げられます。代表的な書籍の中に、『競争やめたら学力世界一』(2006年、朝日新聞出版)があります。フィンランドの教育政策は、テストなどの点数競争を辞めたことによって、PISAで好成績を出せたということです。
ただ、現地の人からは、その当時から日本の塾のようなサービスを利用するような人が増えたと聞きました。日本と同じように、少しでもいい大学に入学するために、塾で勉強して受験に備えるそうです。いくら義務教育段階で質のよい教育を受けても、学歴を日本ほど気にしない国民性だとしても、やはりいい大学を卒業した方が、その後の人生の選択肢が増え、豊かな人生を送れると考えているようです。
ちなみに、当時は高校生の進学先として、大学と専門学校の進学希望は半々くらいだと聞きました。専門学校の中でも、美容師を目指して美容師の資格を取る専門学校が特に人気とのこと。また、大学を卒業した後に、専門学校に入学する人も珍しくないのだとか。自分の目指したいものが変わったら迷わず進路変更できるところは、日本にはない柔軟性ですね。
まとめ
タイトルにも書いたように、私がこの記事で伝えたかった(普段語られない)二つのこととは、
1)日本より少人数の学級運営でも、児童生徒の勉強へのやる気は自然に出てくるものではないこと
2)ブランド名がある大学への進学のために、受験熱はそう簡単になくならないこと
です。
日本の受験制度批判はあれど、盲目的にフィンランドの真似をすると、いずれ逆戻りになる危険があります。そうでなくとも、約10年に1回ある学習指導要領の改訂で、知識量/体験量のどちらに重きを置くかはコロコロ変わっています。
それぞれの教育制度、施策のメリット/デメリットを理解し、その時の児童生徒の実態や社会情勢に見合った決定を柔軟に行うことがいいのではないでしょうか。
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